内容説明
天草四郎の蘇生を信じる人々のひたすら乞い願う奇蹟は、真実なりや否や、樹氷館(口寄せの修練所)を主宰する七橋れい子にもまた暗い運命が漂うのだ。二・二六事件主謀者を断罪する天皇の「心」に刃向かう狂気の内質とはなにか。第二部の戦慄は登場する人物の奥深く、一層浸透して行く。世紀末の薄明に鮮烈な光芒を放つ井上光晴のライフワーク、いよいよ好調。
天草四郎の蘇生を信じる人々のひたすら乞い願う奇蹟は、真実なりや否や、樹氷館(口寄せの修練所)を主宰する七橋れい子にもまた暗い運命が漂うのだ。二・二六事件主謀者を断罪する天皇の「心」に刃向かう狂気の内質とはなにか。第二部の戦慄は登場する人物の奥深く、一層浸透して行く。世紀末の薄明に鮮烈な光芒を放つ井上光晴のライフワーク、いよいよ好調。