内容説明
三島由紀夫はどのような空虚を抱いて戦後を生きたのか?そして天皇とは?虚妄の戦後社会に激しく異議を唱えた三島と全共闘。あの時代を共有した著者が市民社会を覆うニヒリズムの実相に鋭く迫る画期的論考!
目次
第1章 戦後社会におけるラディカリズムとニヒリズム(1969年―ある終端と幕開き;1970年―死と観念の外部)
第2章 空虚の由来(視線と心理;視線とその彼方のもの;『鏡子の家』という鏡)
第3章 〈海〉の在りか(ニヒリズムの意味と「肉体の河」;「行動の河」の流れつく先;なにもない場所へ)
おわりに―市民社会とニヒリズムの経験