内容説明
河出書房新社から《小川国夫作品集》6巻が発刊されるとき、各巻の巻末に自伝を書くことにした。昭和49年秋のことだ。以来6回書き継いで、それを受けて更に雑誌《文芸》に断続的に書き継いでいる。この本に収録したのはその7回目までで、最後の分の掲載は昭和59年11月号であった。初の自伝的長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
33
☆☆☆★ 半生にかかる自伝。小川国夫本人よりも、彼を巡る人たちの生きざまが面白く感じた。特に藍原乾一と丹羽正の激論がすさまじく、丹羽正は一時失明するほどだった。同人誌「青銅時代」にも興味が湧いた。2020/05/19
ユ-スケ
3
ほとんど小説を読んでいないにもかかわらず、自伝を読んでしまうというミーハーさ 真面目に文学に取り組んでおられた姿が手に取るよう 文学者と呼ばれる人は多けれど、意外にこうした真面目な文学者って少ないのじゃないのかなあ なんて思ったり にしてもやっぱり文章うまい こんなにさらっと的確に書けるなんてうらやましい2017/06/08