感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
30
文庫を持っているのに古書市で衝動買い。久し振りに唐十郎。例の事件のことはよく知らない。きっと当時は大騒ぎになったのだろう。人間社会のタブーを扱った挑戦的な作品で、なおかつ著者及び周囲の人が呼ぶところの「誤読」が大爆発。本や手紙に書かれた事実とそこから膨らませたイメージをシームレスに繋げるゆえ、どこからが誤読=妄想なのか曖昧になる。実はパリになど行っていないのではとすら感じた(巻末に写真が載っているし、さすがにそれはなさそうだが)。登場させられた実在人物はどんな心境なのかな。もう少し唐ワールドに浸ってみる。2023/09/08
メタボン
27
☆☆☆☆ 読前の印象と違った。白昼夢というか幻想というか、不思議な巴里の一室の情景。佐川くんの行為を描いた小説というよりも、佐川くんを媒介として、女の夢に紛れ込んだというか、うまく言えず、また誤読しているのかもしれぬが、そんな印象を受けた。アパルトマンの入り口にある魚をつかんだイシスと狼の石像。それを表現したかと思わせるヨハネス・ベッヒャーの詩「アーベン(ト)」。「舞踏会への招待」という紙の切れ端、死体を前に食わす店・長崎六神丸、K・オハラ=祖母キクの残像。演劇界の鬼才だけあって、小道具を使うのが上手い。2019/03/10
ベック
4
本書は、芥川賞を受賞している。万人に認められた書だ。人を喰った人の話であるにも関わらずにだ。
クッシー
4
実際にあったパリ人肉事件がモチーフとなった作品(1982年芥川賞受賞)。現実と虚構が入り混じっていて、不思議な雰囲気を醸し出していた。理解できないところも所々あったので、機会があればまた読んでみたい。2018/05/11
Gakio
3
中盤「わたし」と「K・オハラ」の会話文が延々と続くが、そこ一つ見ても芸のない文章だと思う。「佐川君」の内面に迫るわけでもなく、妄想が繰り広げて終わりなのだから、このような話題性があるだけの作品に芥川賞を与えるというのは、昔から変わっていないわけだ。2023/07/24