内容説明
「すまじきものは宮仕え」の名台詞は、オフィスラブで解雇され、あげくは政権争いにまきこまれた『管原伝授手習鑑』の源蔵。江戸のアイドル、恋人にしたい男NO1の花川戸助六。家族も商売も捨てて遊女と本気の恋をする紙屋治兵衛。世をあざむくために阿呆をよそおって生きる一条大蔵卿…。ポピュラーな演目から50人のヒーローを選んで、あらすじと共に魅力のポイントを探る。絶好の歌舞伎入門書。
目次
市井の人びと(南与兵衛 双蝶々曲輪日記―継母のせつない願いに出世を捨てる;縮屋新助 名月八幡祭―恋の火に油をそそがれ裏切られ…;源蔵 管原伝授手習鑑―せまじきものは宮仕えじゃなあ;長兵衛 極付幡随長兵衛―弱きを助け強きを挫く、たよりの町奴 ほか)
江戸のシティーボーイ(助六 助六由縁江戸桜―江戸のアイドル。恋人にしたい男No.1;笹野権三 鑓の権三重帷子―太平の世に生まれてしまった槍の名手;治兵衛 心中天網島―七つ下がりの雨は降りやまない ほか)
実力派の男たち(由良助 仮名手本忠臣蔵―冷静沈着。われらがリーダーの理想像;佐々木盛綱 近江源氏先陣館―智と勇の武将が情の選択;源五兵衛 五大力恋緘―薩摩武士をさいなむ恋の猜疑心;武智光秀 時桔梗出世請状―相性の悪い上司に仕えたばっかりに ほか)
懲りないアウトサイダー(大倉卿 鬼一法眼三略巻―おそるべきニヒリストの告白;清心 花街模様薊色縫―不可思議なめぐりあわせに流されて;駒形茂兵衛 一本刀土俵入―闇に灯るつかのまのいたわりあい ほか)