出版社内容情報
《内容》 本書は基礎編,診断編,治療編の3部で構成されている。基礎編ではメラノサイトの癌化によって生じる本腫瘍の基礎的側面が理解できるよう,メラニン産生機序やメラノサイトの癌化にかかわる遺伝子異常を取り上げるとともに,本邦の悪性黒色腫に関する最新の疫学的データを示した。 診断編では最近の進歩を踏まえ,実際の臨床,組織診断に役立つよう,各方面からのアプローチを具体的に記述するようにした。 治療編ではまず外科療法の図式を図解的に示し,ついで化学療法やその他の治療法に関する最新情報を記載した。また,経過観察の指針や緩和ケアの考え方も取り上げた。 この他,とくに治療に関しては今後の発展が期待される分野の展望を,それぞれ第一線の研究者にご執筆いただいた。 なお,巻末にはUICCの病期分類と編者らが推奨する「悪性黒色腫の病期別治療指針」を掲示した。 《目次》 ●基 礎メラノサイトの生物学 メラノサイトの癌化と遺伝子異常 悪性黒色腫の疫学と予後因子●診 断・臨床診断悪性黒色腫の臨床所見と診断Dermoscopy(Epilumine-scence Microscopy)による悪性黒色腫の診断蛍光法による悪性黒色腫の診断・組織診断悪性黒色腫の病理組織診断基準とその適用 悪性黒色腫の診断に役立つ免疫組織化学 電子顕微鏡による悪性黒色腫の診断確定 悪性黒色腫の病期分類とその決定●治 療悪性黒色腫原発巣の外科的療法-原則と部位別実技・リンパ節郭清リンパ節郭清の適応と実際 Sentinel node biopsy・経過観察術後補助療法と経過観察の方針 血中腫瘍マーカーとしての5-S-CD・進行期悪性黒色腫の治療化学療法,免疫化学療法局所療法患肢温熱灌流療法メラノーマの終末期医療・悪性黒色腫治療の新展開液性免疫療法,遺伝子治療T細胞認識メラノーマ抗原を用いた免疫・遺伝子治療開発樹状細胞療法メラノサイト特異的化学療法熱中性子捕捉療法抗転移薬の展望●付 録付表1.悪性黒色腫のTNM分類と病気分類(UICC, 1997) 付表2a.悪性黒色腫の新TNM分類(AJCC, 2000)/付表2b.悪性黒色腫の新病期分類(AJCC, 2000) 付表3.悪性黒色腫の病期別治療指針(UICC, 1997) 付表4.悪性黒色腫の新病期分類(AJCC, 2000)に基づく病期別治療指針(試案)