出版社内容情報
《内容》 毛髪分野の治療，研究は各医学領域内で個々別々に行われている傾向が強く，現在まで総合成書はみられにくかった。
本書は毛髪に関する総合成書として，基礎的研究が臨床に最も近い分野，皮膚科系，形成外科系の非観血的治療法および観血的治療法についての全てにわたって解説，編集されたものである。
基礎研究でも近い将来必ず，臨床上役立つ研究事項，多くの毛髪疾患の最も新しい非観血的治療法，さらに外科的治療法としてフラップ，単一植毛等々の新治療方法，脱毛法，かつらについても，この分野の専門の先生方に執筆をお願いした。説明文は可能な限り簡潔に，しかも理解しやすいカラーを掲載した。
今後の毛髪治療研究の発展にお役立ていただきたい。
《目次》
■基 礎 編
毛髪の生態…倉田荘太郎（くらた医院院長）
毛器官の構造と機能…伊藤雅章（新潟大学大学院皮膚科教授）
毛器官の発生と形態形成分子…稲松 睦（研究成果活用プラザ広島（株）フェニックスバイオ）・吉里勝利（広島大学大学院理学研究科教授）
毛成長の制御分子…板見 智（大阪大学大学院皮膚科助教授）
■臨床（植毛）編
頭部毛髪疾患の分類…平山 峻（聖路加国際病院形成外科顧問）
円形脱毛症の治療 i．局所免疫療法…森 理（森皮膚科院長）ii．ステロイド剤の内服治療…平山 峻（聖路加国際病院形成外科顧問）iii．ステロイド外用療法およびその他の治療法…山下眞之（越谷市立病院皮膚科部長）
抜毛症（トリコチロマニア）…坪井廣美（北里大学皮膚科講師）
男性型脱毛症の病態－脱毛部毛包と皮下の病理的変化…宇野秀夫（元Wisconsin大学教授）・倉田荘太郎（くらた医院院長）
男性型脱毛症…佐藤明男（クリニック平山院長）
炎症性疾患に伴う脱毛症…斉藤隆三（東邦大学大橋病院第二皮膚科教授）
感染症に伴う脱毛…坪井良治（東京医科大学皮膚科教授）
休止期脱毛症，女性のびまん性脱毛症…植木理恵（順天堂大学皮膚科講師）
薬剤，中毒による脱毛症…今 淳（弘前大学生化学第一講座助教授）・花田勝美（弘前大学皮膚科教授）
外科的治療
i．有茎皮弁による男性型脱毛症の修復…江崎哲雄（エザキ・クリニック院長）
ii．free flap（遊離皮弁法）…倉片 優（東京警察病院形成外科医幹）・大森喜太郎（東京警察病院形成外科部長）
iii．遊離植毛術…石井良典（大宮スキンクリニック院長）
iv．その他 a．眉毛・睫毛の再建…葛西健一郎（葛西形成外科院長）b．陰毛の再建…石井良典（大宮スキンクリニック院長）
v．腋毛の生態と腋臭手術…稲葉義方（稲葉クリニック院長）
脱毛について－絶縁針電気脱毛とレーザー脱毛…野田宏子（ちば美容形成クリニック院長）
電気脱毛と座瘡の治療…小林敏男（青山・小林クリニック院長）
かつらの効用と癒し－QOLを考える…中島荘吉（東京義髪整形）
内容説明
今回、毛髪総合成書として基礎研究、臨床指導書を、皮膚科・形成外科医の合同参加の基で、毛髪に関するすべての新しい研究、手術法などを事細かに執筆していただき、且つやさしい指導書をと計画してみた。また本書の特徴としては、従来の成書と違って眼で見る指導書を主眼とし、カラー図表を主体として読者の理解度を高めたいと努力した。例えば臨床面で、禿髪症の新しい手段として一本遊離植毛法、フラップ（フリー、有茎法）等々の適応症であり、非観血法としては様々な新しい薬剤による毛髪再生、増毛法について述べて頂いた。また今後の毛髪研究として、最も期待できる毛髪の培養法、新しいかつらの工夫、さらに幅広く脱毛法についてもふれた。
目次
基礎編（毛髪の生態；毛器官の構造と機能；毛器官の発生と形態形成分子；毛成長の制御分子）
臨床（植毛）編（頭部毛髪疾患の分類；円形脱毛症の治療；抜毛症（トリコチロマニア）
男性型脱毛症の病態―脱毛部毛包と皮下の病理的変化
男性型脱毛症 ほか）
著者等紹介
平山峻［ヒラヤマシュン］
１９４９日本医科大学専門部卒。１９５０～１９５５三井記念病院外科。１９５５～１９６１米国留学、米国形成外科専門医取得。１９６１～１９７２東京警察病院形成外科部長。１９７２～１９７５杏林大学形成外科教授。１９７５～１９９２東京女子医科大学形成外科教授。１９９２～２００３東京メモリアルクリニック院長、理事長。１９９０～２００４日本臨床毛髪学会理事長。１９９４～２００１米国国際毛髪外科学会理事。２００４～現在、聖路加国際病院形成外科顧問
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