出版社内容情報
《内容》 骨・軟部悪性腫瘍は，整形外科疾患の中でも最も人の命や生活の質に影響し得る疾患である。腫瘍専門医の下で本症の治療が始められたとしても，そのときの悪性腫瘍の拡がりが，患者の生命予後や治療後の生活の質を左右する。初発症状あるいは初診から治療までの期間をいかに短縮できるかが“key”となる。本書は初診医が，骨・軟部悪性腫瘍を早期に見つけ出し，患者を早期からの望ましい治療に導くためのガイドブックである。
日常外来診療を行う整形外科医が腫瘍を疑う場合，問診と局所所見に加えてその決め手となるのが，どこの施設でも可能なX線画像である。本書では，部位別に整理された150に及ぶ腫瘍のX線像を収めた。著者の長年の経験から蓄積された貴重な症例に基づくもので，悪性腫瘍の画像の特徴，良性腫瘍あるいは腫瘍類似疾患との鑑別のポイントが簡明に述べられている。特に，骨肉腫などの悪性腫瘍の初期の画像が数多く紹介されており，初診にかかわる医師には有難いガイドとなっている。
《目次》
■膝関節周辺の腫瘍とその鑑別
骨肉腫／骨肉腫と紛らわしい画像所見を呈するもの，良性腫瘍あるいは腫瘍類似疾患／軟骨肉腫／Ewing肉腫／がんの骨転移／骨巨細胞腫／軟骨芽細胞腫
■大腿骨近位部の腫瘍とその鑑別
骨肉腫／軟骨肉腫／Ewing肉腫／がんの骨転移／その他の悪性腫瘍／悪性腫瘍と鑑別を要する良性腫瘍および腫瘍類似疾患
■足関節および足周辺の腫瘍とその鑑別
■肩関節周辺の腫瘍とその鑑別
■上肢の腫瘍とその鑑別
■長管骨の骨幹部に発生する腫瘍とその鑑別
■骨盤に発生する腫瘍とその鑑別
