出版社内容情報
《内容》 本書は,現役の,そして次代を担う外科医により良い手術,より優れた手術を手がけて欲しいと願う著者が,不出世の大外科医,梶谷鐶が遺した「べからず語録」を解説したもので,著者の外科医としての豊富なキャリアから学んだ様々な事がら,人生感などが反映されている。
また,おなじみの軽妙なイラストは本書の味わいを一層興味あるものにしている。御一読願いたい。
《目次》
■おもな内容
●手術室におけるマナー篇
手術室で無駄口をたたくべからず――注意力の妨げになる/手術室で大声を出すべからず――術者の心を和らげる音楽がよい/助手は出しゃばるべからず――術者の心を乱す/数人で同じ操作をすべからず――秩序を保て
●修行篇
手術記録の記載を翌日まで延ばすべからず――記憶は早く減衰する/「後でやろう」と思うべからず――急ぐ時ほど忘れる/他人の手術を見ることの重要性を忘れるべからず――思わざる個人差に気が付く
●技術篇
不十分な視野で手術を強行すべからず――必要以上に確実な手術を…/検索は健常部から。病変部を先にすべからず――病変部は最後に検索せよ/第1結紮は交叉すべからず――大事な結紮は正規の方法で。失敗は許されない/結紮には不必要に太い糸を使うべからず――絹糸は感染の時異物となる/出血部をガーゼでこすり拭くべからず――また出血する/止血困難な時、あくまでも鉗子で挟もうとすべからず――圧迫をしておいて心を静めよ/止血のためにガーゼをバラでつめこむべからず――血染のガーゼは忘れやすい/不潔部を拭いたガーゼ、器具類をそのまま無意識にも清潔部に使用すべからず――不注意は感染のもと/縫合の針や糸を乱暴に抜くべからず――出血や損傷を招く/1個所に深入りすべからず――大局を誤る/胃腸管を乾燥させるべからず――腹腔より出すな、生食を使用せよ/胃腸管内腔を拭いたガーゼ片、綿片は毎回更新を怠るべからず――バイ菌を移すな/血液の色に注意を怠るべからず/手術創を閉じる前にもう一度見直せ――手落ちや忘れ物が意外に多い/手術は逃げるべからず――治療における敗北である
●付け加えたい「べからず」集
手術前に勝負ごとをすべからず――気もそぞろになる/手術日に約束事を入れるべからず――予定は未定と銘ずべし/マイホーム型人間になるべからず――家庭は功罪相半ばする/職場から遠距離に住むべからず――急場に間に合わない/マンネリズムに陥るべからず――進取の精神を失うなかれ/経営本位の病院には勤めるべからず――手術に専念できる職場を選ぶべし/金儲けを企むべからず――金銭に淡泊たれ
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