出版社内容情報
《内容》 外科医は,癌病巣を切除する際に常に見えない敵である「微小転移」の存在に脅え,これに対峙する方法を求めてきた。予防的・系統的リンパ節郭清は,その結果確立された癌外科治療の大きな柱であると言える。しかし,リンパ節郭清の安全域を広くすればそれだけ手術侵襲は大きくなり,術後の臓器機能は障害される。リンパ節郭清が必要な症例と不要な症例を区別して最適の外科治療を実践するためには,現行の画像診断の精度は必ずしも十分ではない。この問題を解決する1つの手段としてセンチネルリンパ節(sentinel node ; SN)理論の臨床応用への期待が急速に高まってきたのである。
本書では,癌治療の新しい方法として期待されている癌のリンパ節転移の検出法について基礎的研究から最新の臨床知見を様々な角度から取り上げた。臨床に役立つガイドブックとしてお役立て頂きたい。
《目次》
■総 論
センチネルリンパ節の概念とその歴史的背景
リンパ管の解剖および生理から見たセンチネルリンパ節理論
センチネルリンパ節検索と核医学
癌外科治療におけるセンチネルリンパ節の意義と今後の展望
病理診断学から見たsentinel node navigation
内視鏡外科から見たSNNS
がん集学的治療とSNNS
■各 論
・核医学
・病理学
・各種臓器における臨床応用
乳癌
消化器癌
皮膚癌
肺 癌
頭頸部癌(口腔咽頭)
内分泌外科
婦人科癌への応用
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- 和書
- 子麻呂が奔る 文春文庫