感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shikashika555
39
一度病名がついてしまうと 病気の人。 何をしても病気の症状としか捉えなくなり、個人対個人のアプローチが不可能なように感じてしまう。 結果、無策で状況は膠着したまんま。 昨今の「診断をつけられた人」の多さから、各所で問題を保留にしたまま不健康になってゆく人や組織の多さが伺える。 全ての問題が診断された障害から来るものではなく 本人の性格のクセが引き起こす部分があるとの記述は、とても力強く感じた。 ホンマにその通りだとも思う。 障害があっても単に性格の悪さから問題を起こしてるケースも多そう。2025/01/01
hydrangea
4
データなどで確定する他の科の疾患と違って、精神科では病気と病気でないことの境目がつきにくい。患者が医師に話す内容も、自分本位なので何が真実なのかもわかりにくい。ということがよくわかる本。普通に読みやすい文章なので、ところどころに挟まれるユーモアはサービス過剰。正直ウザかったです、先生。2024/12/26
saiikitogohu
4
精神科医と患者(一般の人々)とでは「病」についてのイメージにギャップがあり、その認識の相違を俯瞰して見ることが精神科医療においてはとても重要。そのための視点として「病であって病でない」という見方を提示する。 後半の事例がかなりおもしろい。たとえば「精神科医にとって治療のためには必ずしも診断名は必要ない」という話があって、しかしながらこの医療者側のアプローチが「象徴としての診断」を欲しがる患者にとっては納得いかないこともある…。支援現場においては、よく見る光景なのだが、医療者側の視点がよくわかり面白かった。2024/08/30
くれないゆき
3
メンタル的な「健康」と「病気」のはざまに「病気であって病気じゃない」がある。身体的な病気についても、当てはまる。研修医の先生に語りかけると規定して書かれているので、医者じゃない人間からみると現場の話も多く出てくる。しかし、実際に周りにいる人たちに関して「病気?」「病気じゃない?」みたいなことがあったときに、こういう考え方もできるなぁって思えるのが良いなと思った。あと、装丁がめちゃくちゃ可愛いです。2024/12/09
天ぷら
2
筆致がユーモア。絶妙に滑ってるところ含めてユーモア。でも脳内シミュレーションてきな、ロールプレイ的な部分はものすごく的確。2024/10/15