出版社内容情報
《内容》 “医の原点”は,科学や医学の技術面は大きな進歩をした現代であるが,ヒポクラテスから2500年も経た現在,ますます深く浸透したというより,ますます浅く,昏迷するばかりの様相である。本書は東京大学医学部の学生と職員に対して行われた特別講義シリーズ“医の原点”を集めたものである。著名な著者の一人一人が,力をこめて行った講義に大幅に手を加えたのが本書である。(序より)
《目次》
1.医と障害-治癒されぬ者の視点-
福島 智(東京大学先端研助教授)
■コミュニケーヨン喪失の衝撃
見えなくて聴こえない状態/「指で聴く」方法/コミュニケーション支援
■医療現場での体験
盲聾への理解不足/「肩をたたく」工夫/つらく悲しい記憶/人間をみるということ
■治癒されぬ者の視点
障害はどんな場合でもなくなるほうがよいのか/植物状態で生き抜いた父/障害の存在は医療の敗北か
■コミュニケーションが人を救う
■講演後の質問に答えて
■医学・医療を志す学生に読んでおいてもらいたい本
2.ボランティアの原点の探求-東大病院にこにこボランティアへのアプローチ-
渡邊 一雄(岩手県立大学教授・東大病院にこにこボランティア代表)
■講義に臨んで二つの約束
■自己紹介に代えて-「ナベさんのボランティア奮闘記」
■視点の違い-群盲の撫象
■ボランティアの原点の探求
「ボランティア」とは何か/ボランティアとの出会い/ボランティアと寄附はアメリカ建国の精神/仕事とボランティア/町のために土地を売ったベルビンさん/第3セクター「市民」/新しい公/アメリカ国歌が変えた私の後半生
■東大病院にこにこボランティアの10の夢
3.人を愛するところに-東京大学医学部を貫いて流れるもの-
二宮 陸雄(内科医・医学史家)
■心に残る人々
ヒポクラテスの志/ガレノスの自然力思想/ヴェサリウスの解剖学/悔いなく過ごすために
■NGOがつくった種痘所が始まり
アイヌを救った桑田立斎/那須一帯を歩いた北城諒斎/他人のために生きる
■自らの命をかけた医師たち
■医学・医療を志す学生に読んでおいてもらいたい本
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