出版社内容情報
《内容》 地下鉄サリン,カレー・ヒ素など事件多発にもかかわらず,中毒に関する知識と経験が,一般人だけでなく,医療従事者にも不足している。個別の中毒物に関する良書は多いが,病因物質を鑑別する和書は見当たらない。また,病態全体をとらえながら個々の病態に対する治療の書も少ない。
このような観点から,本書は中毒物質の鑑別を重視,さらに病態を俯瞰・総括しながら治療法にも重点をおいた啓蒙書を目指した。
《目次》
1)中毒を疑う現病歴がない時に中毒を診断する指針
救急患者を診察する時の心構え/救急救命処置/現病歴聴取/診察
2)頻度の高い中毒物質の毒性,診断と治療法
・家庭用品
・医薬品
・農薬
・工業製品
・ガス中毒
・食中毒
細菌性食中毒/ウイルスなどの微生物/摂取食品性食中毒/化学性食中毒/自然毒食中毒(植物性自然毒,動物性自然毒)
・咬症・刺症
咬症/刺症
3)治療法の適応と手技
救命救急処置/除細動/呼吸管理/循環管理/投薬(経静脈と経気管)/アナフィラキシーとアナフィラキシー様反応/栄養基質の代謝と毒薬物の作用部位/薬物動態学,薬動力学,薬理ゲノミクスと生体内変換/強制利尿と尿のアルカリ化・酸性化/資料の採取と保存/昏睡と痙攣/皮膚洗浄/洗眼/催吐/胃洗浄/吸着剤/小腸洗浄/下剤/解毒薬・拮抗薬/メトヘモグロビン血症/酸・塩基平衡/アニオン・ギャップ/血清浸透圧とオスモラー・ギャップ/分布容量/蛋白結合率/血液浄化法