出版社内容情報
<米将軍>徳川吉宗の厳命を受け、還暦を過ぎて幕臣となった井澤弥惣兵衛は、全国各地で新田開発・河川改修などを手掛けた。紀州流による驚異的な実績は、2世紀半が過ぎた今日でも多くの国民の生活を支えている。
内容説明
徳川幕府「中興の祖」とされる第八代将軍吉宗の時代は享保改革という一大変革期であった。吉宗は行き詰った財政事情を打開するため全国規模での新田開発を奨励した。その厳命を受け先頭に立って新田開発を指揮したのが井澤弥惣兵衛であった。彼は自らの紀州流土木技法という独自の技術を導入し、それを全国的に展開した。湖沼や湿地を用水路に分離した上で干拓し、山林原野を開き、堤防を高く構築して河川の幅を狭め、川のそばまで水田を広げ、河川敷も耕作地とした。空前の大自然改造であった。
目次
沃野を拓く―紀州流の心と技
鉄砲と鍬と―根来同心の家系、豪農、紀州藩
紀州流の源流―弥惣兵衛と才蔵
「米将軍」に登用された還暦の技術者―大開発の規範・飯沼新田1
弥惣兵衛と名主たち―大開発の規範・飯沼新田2
弥惣兵衛、農民の悲願に応える―大開発の規範・飯沼新田3
関八州での新田開発と治水策の光と影
見沼代用水の開発―開削決水への道1 調査
見沼代用水の開発―開削決水への道2 試掘
見沼代用水の開発―開削決水への道3 着工
見沼代用水の開発―開削決水への道4 竣工
民は楽を共にすべく、憂を同じくすべからず
著者等紹介
高崎哲郎[タカサキテツロウ]
1948年栃木県生まれ。NHK記者、帝京大学教授、東工大などの非常勤講師を歴任。独立行政法人土木研究所と財団法人河川環境管理財団の客員研究員を経て、独立行政法人水質源機構の客員教授。作家、土木史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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