目次
ハンス・ホライン―観念の触手で環境を捕獲する
アーキグラム―建築を情報に還元する
チャールス・ムーア―伝達メディアとしてのポップ建築
セドリック・プライス―システムのなかに建築を消去する
クリストファー・アレグザンダー―環境を生成する普遍言語を探る
ロバート・ヴェンチューリ―現代マニエリスムとしての混成品建築
スーパースタジオ アーキズーム―概念建築による異議申し立て
『建築の解体』症候群
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルンブマ
1
『犬神家の一族』の例の湖から飛び出した足。誰も指摘してこなかったが、あれはおそらく、ハンス・ホラインもしくはクレス・オルデンバーグ的な「非建築」的建造物だったのだ(スケールの拡大の手つきは明確ではないが、背景から大きさが類推できない)。突き刺しによる日常の肥大。あれは殺人ではない。れっきとした"建築物"だったのである。2019/11/17
ぜっとん
1
大体は題名どおり。扱われていた建築家達は、ハンス・ホライン、アーキグラム、チャールス・ムーア、セドリック・プライス、クリストファー・アレグザンダー、ロバート・ヴェンチューリ、スーパースタジオ、アーキズーム。近代建築をなんとかしようとしてもがいた人々の奮闘記。ポストモダン的な論理を使用する人々が多かったようだが、建築は建てるものというイメージから行くと空回り感のある作品も多い。個人的に好きだったのはロバート・ヴェンチューリ。皮肉と反語と表層を利用はするのだが、マニエリスティックで細部に凝りまくるのが面白い。2013/11/12
チャーリー
0
「建築の発散」とも言える。紹介されている7人の建築家(ユニット)と磯崎は各々が独自にモダニズムからの脱却を図り、固有の理論体系を組み立てざるをえなかった。それは思想界のパラダイムシフトと軌を一にした。これが同時代的に起こったことは現在から見ても衝撃的なことであり、それからの20年間が「不在」であったとしても頷ける。社会学で言うとパーソンズからルーマンに至る流れかもしれない。VRの登場によって「建築の解体」が囁かれているかもしれないが、すべては1960年台に予見されていた。磯崎は既にこの視座にあった。2016/10/29
poiuy
0
セドリック・プライスの章は読了。期日をすぎて図書館に返却。2012/04/21
Ko
0
きっと大体のことは忘れそうであるが、やはり初期ポストモダンは面白い。かなり知的で、コンセプチュアルで、考え方が好みです。時代の雰囲気は何となく感じれた気がするので、読んで良かった。2023/02/01