出版社内容情報
新「公園の三種の神器」、再発見された「街区公園」、好ましい公共トイレ、禁止しないサイン、樹木のもたらす「時間の厚み」、生きている「欲の細道」、公園の「決まる形」と「つくる形」、「公」を担いうる「園」、「公開空時」、「他者のための公園」……18のエッセイで「公園的な風景」を巡る。
「公園は不思議な施設である。公園は憩いや休憩のために設けられる。それはたしかに私たちの生活を豊かにするが、公園だけがあっても生活は成り立たない。公園はあくまで街の活動を補完するためのものである。しかし、だからこそ公園には、公園を取り巻く社会や時代が求めるものが写し絵のようにあらわれる。公園でひと休みしつつ、また街へ戻るまでのつかの間、公園に求めるものを通して私たち自身についても考えたい。」(本文より)
内容説明
近所の公園の再発見、「うめきた公園」の造形力、「MIYASHITA PARK」が先取りする都市環境、樹木のもたらす時間の厚み、そして追悼の風景…ゴルフコースから雑木林、空き地まで、そこにある「公園的な風景」。
目次
第1章 都市のなかの公園(都市の庭になりつつある公園;解放区としての街区公園;屋上という気候)
第2章 公園の記号と性能(みんなの公園、わたしのベンチ;トイレの矛盾と形;禁止サインから禁止しないサインへ;遊具という象徴)
第3章 自然との対峙(オープンスペースとしての水面;雑木林の風景;樹木がもたらすもの;表層の自然)
第4章 公園のなかの造形(「欲の細道」ディザイア・パスの風景;光の風景;田園風景の子孫たち;公園の形)
第5章 公園の公共性(「公」を担いうる「園」;「公開空時」暫定利用の空地の可能性;追憶の風景、他者のための公園)
著者等紹介
石川初[イシカワハジメ]
ランドスケープアーキテクト/慶應義塾大学環境情報学部教授、博士(学術)。1964年京都府宇治市生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒業。鹿島建設建築設計本部、Hellmuth,Obata and Kassabaum Saint Louis Planning Group、ランドスケープデザイン設計部を経て2015年4月より現職。外部環境のデザインや地図の表現、地域景観などの研究・教育を行っている。著書に『思考としてのランドスケープ 地上学への誘い』(LIXIL出版、2018年。2019年度造園学会賞著作部門)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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