出版社内容情報
南伊の都市、アマルフィ。中世からの海洋都市、イスラーム世界の文化、時空の積み重なる迷宮都市群とそのテリトーリオを読み解く。
「アマルフィの人びとは『ひとつの足はブドウ畑に、もうひとつの足は海の中に置く』という言い方があるように、アマルフィ海岸の人びとにとって、海と山(内陸部)の間の関係は強く、その両者の日々の生活のなかに存在した濃密な関係性が、この地域の豊かさを生み出してきたことは間違いない」(本文より)。
内容説明
アマルフィの人びとは「ひとつの足はブドウ畑に、もうひとつの足は船に置く」―。海を望む斜面に高密な迷宮空間を築き上げたイタリアのアマルフィの魅力は、世界文化遺産の“世界一美しい海岸”で知られる海辺の美しい景観だけではない。アマルフィ海岸の人びとにとって、海と内陸部の山の関係は強く、その両者の日々の生活のなかに存在した濃密な関係性がこの地域の豊かさを生み出してきた。田園に点在する農家や教会などの建築群、周辺に広がるレモン、オリーブ、ブドウなどの農地や山林、海と山を結ぶ小道、美しい海岸線などが生むランドスケープ…。中世からの海洋都市に影響を与えたアラブ・イスラーム世界の文化をはじめ、時空の積み重なる迷宮都市群とそのテリトーリオ(地域/領域)を四半世紀に及ぶ徹底的なフィールド調査で読み解く。
目次
第1部 アマルフィ海岸(アマルフィ海岸の都市とテリトーリオの空間構造;海洋都市国家の興亡の歴史;アマルフィ海岸の地域資産とテリトーリオ)
第2部 アマルフィ(アマルフィの全体像;各地区を語る;アマルフィの発展段階を読む)
第3部 アマルフィ海岸諸都市(アトラーニ―アマルフィとの「双子」;ミノーリ―アマルフィ海岸の「エデンの園」 ほか)
第4部 テリトーリオを読む視点(アマルフィ海岸の建物類型;アマルフィ海岸の農業景観の変遷;道のネットワーク―ポントーネを事例に)
著者等紹介
陣内秀信[ジンナイヒデノブ]
1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。現在、法政大学名誉教授・江戸東京研究センター特任教授。主な受賞にサントリー学芸賞、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、ANCSAアルガン賞、アマルフィ市マジステル称号、日本建築学会著作賞ほか
稲益祐太[イナマスユウタ]
1978年東京都生まれ。法政大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(工学)。イタリア政府奨学金留学生としてバーリ工科大学に留学。専門はイタリア建築史・都市史。久留米工業大学特任講師を経て、現在、東海大学建築都市学部建築学科准教授。プーリア州を中心に南イタリアにおける都市とテリトーリオの空間史に関する研究を行う。受賞に建築史学会賞、日本民俗建築学会奨励賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- 兇人邸の殺人