内容説明
世界の名作で審美眼をみがく「見る入門書」。日本、アジア、中近東、欧米の112の実例に即して「驚くべき美のヴァラエティ」を写真で解説。真の独創性を築いてきた建築造形の豊かさと広さを学び、鑑賞力を養う好著の新装再刊。
目次
第1部 東洋(洞窟(建築の原型その1) 日本1
柱(建築の原型その2) 日本2
塚(建築の原型その3) 日本3 ほか)
第2部 東洋と西洋のあいだ(ペルセポリスの謁見殿 イラン1;ナクシュ・イ・ルスタムの拝火堂 イラン2;イスファハンのマスジッド・イ・シャー イラン3 ほか)
第3部 西洋(クレタ島のクノッソス宮殿 ギリシア1;アテネのパルテノン ギリシア2;アテネのニケ・アプテロスの神殿 ギリシア3 ほか)
著者等紹介
井上充夫[イノウエミツオ]
建築史家。1918年京都生まれ。1942年東京工業大学建築学科卒業。1949年横浜国立大学講師、1950年同助教授、1966年同教授。1984年同名誉教授。工学博士。2002年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
背景から語らず、「目で観る」ことから世界中の建築の「美」を抽出しようとする本書は、その原型としての世界中に尊大する遺跡の洞窟・柱・塚から始め、東西の古代建築(ペルセポリスの謁見殿やナクシュ・イ・ルスタムの拝火堂等)の中でも、他の模倣ではなく「独創性」を持つものを選び、原型の多様な組み合わせがヴァリエーション豊かに展開する様を辿りつつそれを「建築美」と名づける。スラヴ系の建築はカバーされてないが、その位相幾何学的な美のパターンは、近代的な三次元空間や線状的な歴史時間を折り畳み、開き、変形するように展開する。2025/08/06