感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
南北戦争後のリンカーン暗殺からシカゴ博のサリヴァンの交通館に及ぶ30年は、第二次産業革命によって石油と電気の時代に移行する経済的には黄金時代である。が、著者がこの時代を褐色の30年と呼ぶのは、ロダンの指摘のように、この時代に起きたアメリカのルネサンスが神から人間へシフトした西洋と異なり、神から機械へシフトしたからだ。アメリカのランドスケープを論ずる本書は、この時代に活躍し始めるF・L・ライト、ソロー、オルムステッド、スティーグリッツ等を通して、機械によって資源化された後に見出される自然と大地に目を向ける。2025/09/16