内容説明
「私たちに必要なのは、新しい技術ではなく、新しい生活様式である」と著者は語る。本書の中で、人類の蓄積された知識のうち、5つの基本的な機能(食事すること、眠ること、座ること、清潔にすること、入浴すること)について再検討する。
目次
最後の晩餐のテーブルマナー
みにくい座り方
評判の悪い衛生法
にぎやかな風呂場
時代遅れの寝室
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
身体を矯正する習慣は、身体が求める必要性を制限する建築と自己監視する人間行為の反復で普及する。椅子に座って食事をする『最後の晩餐』を同時代に寝そべって食べていたという文献をもとに批判する冒頭から始める本書は、座ることへの矯正をトイレの形態と排便姿勢に移り、清潔さへの徹底で個人の場となった風呂場やベッドが複数の人々で満たされる場所だったことへ話題を連想的に移していく。生活様式に権力が介入する様を批判的に描くことで、著者は建築家が身体を基点とせずに、都市計画からトップダウンに個々の建築を捉えてきた点を暴く。2025/06/24
パンダマン
1
最後の晩餐はダヴィンチの絵のようなテーブルと椅子ではなく、当時の習慣に従って横になって行われたと言う衝撃の事実から始まる。そして後世の画家たちは自分の文化のフィルターを通して聖書の記述を理解していた。食事、入浴、排泄、などが多様な文化の広がりの中で語られる。著者は西洋人の読者を念頭に書いているから、東洋びいきな文章だと思った。特にベッドや椅子への批判的な文章が凄い。政府が国民に向けて発行する本を「白書」と言うが、本書はデザインもそうだが著者独自の観点や調査で読者を魅了する「黒書」と言っても良いでしょうか。2021/08/05
ねぎとろ
1
文化相対主義的視点からみた生活史。基本は蘊蓄話なんだが、時にハッとするような記述もある。なにより多数の図を見ているだけでかなり楽しめる。2011/11/13
tatemonogakari
1
お風呂に入浴する習慣って客観的に見るとここまで考察できるものなのか。生活習慣ってわりと宗教からくる価値観に大きく影響されているというのもおもしろい。2011/11/11
yutanpo
1
普段の生活の中で当たり前になっていることでも実は誤ったものが多いらしい。かといって今の生活を捨てて懐古趣味になるのも違う気がするし、そもそも身体が追いつかない気がする。それにしても昔の日本人の生活はぜひ体験してみたい。文化史の本の中の日本は完全に異国。2011/10/29
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