内容説明
60年代末に建てた自邸「塔の家」で都心居住を提案し、センセーションを巻き起こした著者の都市居住論。著者は本書の中で、「塔の家」に住み続ける過程で生み出した数々の都市型住宅の事例を交えながら、21世紀の都市の住まい方を提案する。
目次
プロローグ 私の都心居住二都物語
1 都市住居の魅力と意義―なぜ、都市型住宅なのか
2 都市型住宅の冒険
3 都市と住居のつながり
4 都市の再生のために―都市とどう関わるか
小さなエピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
本書は、渋谷に狭小住宅「塔の家」(敷地20平方m地上5階地下1階)を設計し1966年に建築した著者の70年代から90年代までのエッセイを収録する。モダニズム建築によって都心(商業)と郊外(住宅)に二分された都市自体を問う「都市住宅」という概念を提起する著者は、個人/集団、囲い/解放、連続/遮断、複合化/単純化、融合/貫入という建築概念を取り上げ、狭小空間が生み出す孤独や閉鎖性を解放するブリッジやスリットの建築空間への導入等を提案、実践する。これら概念とコンクリーと打ち放しの工法は安藤忠雄に影響を及ぼした。2025/08/31
ほーらん
1
塔の家で有名な東孝光さんの著書。この著者は都会に住んでおり(青山)その上で都会の中心部では美しくあしらわれた面とくたびれた殺伐とした面があることに注目し論を展開していく。 この作者はまず住むとはどういうことなのか、そして住宅は核家族を想定して勝手に大きくなってしまったことを恨んでいる。 現代に求められるのはその家族一つ一つがアクティビティを想定してそれに沿った家づくりをすることであり、多様化したニーズをまとめてしまわないことが言われている。 そのためにスリットなどの空間的な具体毛機なアプローチも示される。2021/08/13
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