内容説明
本書は19世紀イギリスにおけるアーツ・アンド・クラフツ運動の中心的活動家であり、建築、グラフィック、テキスタイルを始めとして様々な分野で活躍し、「近代デザインの父」と呼ばれた思想家、ウィリアム・モリスの生涯と仕事を紹介する。
目次
1 モリスの原風景
2 レッド・ハウスへの道
3 モリス・マーシャル・フォークナー商会
4 詩とロマンス
5 モリス商会
6 反修復運動
7 講演活動
8 社会主義とユートピア
9 晩年の活動とケルムスコット・プレス
10 アーツ・アンド・クラフツ運動の広がり
11 フィリップ・ウェッブ
12 日本趣味・「クイーン・アン」・唯美主義
13 モリスと近代デザイン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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1
近代デザインの原点がモリスとその周辺からわかりやすく描かれていた。生活と芸術が結びつく視点がおもしろかった。2012/07/27
TAKAMI
0
聖職者をあきらめ、建築も家具もテキスタイルも、なんでもデザインし、社会主義運動や反修復運動にも参加し、商会も運営するスーパーマン、モリスについて広くわかりやすく述べられている。彼がどういう時代・地域に生き、誰と付き合い、何をしたかはよくわかったので、これからはそれがどのような社会的影響を与えたのか、様々な文献を読んでみよう。デザインにももっと触れてみる。2015/02/04
May
0
近代デザインの原点として安易に語られ過ぎている感のあるモリスだけど、彼の活動を貫く真の価値は「もうひとつのもの」を求める力にあった。モリスの周辺の動きも詳しく書かれていて、彼の時代と影響関係への理解が深まる。モリスの古建築の保存運動の背後には、長い時間を見通した建築生産行為への問いを見ることができる。神話的に語られがちなモリスを実践者として分析的に見直せる本。2013/10/03