感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
1930年代の邦訳の際、précision(精確さ)という表題は「閘明」とタイトルされたという。水門を開けて開放するという最初の邦訳に託されたように、本書は19世紀以来急速に拡大する都市に機能美と秩序を与え、その混迷から「解放」することを目的とする。ブエノスアイレスでの10回の講演で、著者は従来の建築を木主するアカデミーの姿勢を批判しつつ、マクロ的観点から始める本書は南アメリカの都市計画、個々の住居、モデュロール基準の室内とその家具へと焦点を変えながら、具体例を交えて人間中心の生活と建築のビジョンを示す。2025/06/11