感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
機能的に洗練され、単純化されたモダニズム建築を実践的に批判する本書は、ミースの「less is more」(少ない方が豊か)を皮肉って「less is bore」(少ないことは退屈)という言葉で「穏やかなマニフェスト」として世に出た。このフレーズには、建築の物理的な事実と人間の心理的反応のズレを外部と内部という異なる要素同士の対立性と捉え、この関係から曖昧さや複雑さが生まれ、建築を多様にすると著者は捉える。著者は自らの建築を例に、建築家の構想に留まらず住む人の実践によって多様かつ統一された建築を構想する。2025/06/19
tatemonogakari
4
後半に進んでくると、ようやく言わんとしていることが頭に入ってきた。賛同者ではなく批判をくれる人の方が信頼できるということばは印象的。鵜呑みにしないで自分の考えに発展させなければ。2011/06/04
AtoA
3
近代建築を評した今となってはひとつの歴史書。ただ、建築は人によって論じる境界を自分なりに設定してしまうが、その奥行の幅の基準となっている。
kiri
2
100ページほどで挫折。なんだか長ったらしいなと思ってしまった。 今に生きてるワタシからするとこの本の中の現代=コルビジェというのがなんとも贅沢!そうかそんな時代もあったのだ。それにしても何十年経った現代でも通用する本書はすごいと思います。またいつか開いてみます。2023/04/19
引用
2
初めて真っ当に通読したのだけどモダニズム批判として重要な言説だなという気持ちと今思えば当たり前のことが書いてあるなという気持ちの二つがある、通俗的なものの積極的な評価とそのために粗雑な設計「に見える」ものを再生産してしまうという功罪はあるのだが、、、論調としては『古典主義建築の系譜』(『仮想の近代』も近いのかもしれない)を想起させる。2020/09/07