感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
1960年代以降批判される近代建築運動だが、当時の古典主義的アカデミーに反旗を翻すこの運動初期の1930年代刊行の本書では、機能主義を掲げる近代建築の背景が3つの原理から垣間見える。「ヴォリュームとしての建築」は空間と人間の数量化に関わり、「規則性」は数量化する側の計測しやすさに関わり、「装飾付加の忌避」は神の神殿から人間の住宅への移行が住む側より設計する側が神の位置を占める可能性を仄めかす。60年代の批判者は、近代建築運動に30年代の工業社会化と大量生産が引き起こした戦争を思い起こす構図を見たのだろう。2025/07/09
キャラ
0
再読。”インターナショナル・スタイル”。よくも悪くも、呪いのような言葉。非常におもしろいのは、冒頭にある後年のヘンリー=ラッセル・ヒッチコックによる、申し訳程度の訂正というか謝罪というか、諦めのような文章。”様式”とかいう時代錯誤な枠組みの設定、無理やりな定式化による誤謬等、悪手であったことを気に病んでいたことがよくわかる。 たしかに、章立てを見ればわかるが、取り上げている要素、美学的視点がthe 古典的だ。”第一原理 ヴォリュームとしての建築”というのも、ル・コルビュジエの文言をそのまま借りたのだろう。2025/05/01
0
訳がかたい気がする…。2023/08/06