出版社内容情報
世界一有名な住宅は、だれが建てたのか?
施主の孫が語るサヴォワ邸誕生の真実。
「至急この家を住めるようにしてください」
「玄関も雨、スロープも雨、書庫の壁はびしょ濡れです」
――ウジェニ・サヴォワ
内容説明
1929‐30年にル・コルビュジエによって建設された世界的に有名なサヴォワ邸は20世紀建築を象徴する建物となった。しかし、この郊外住宅を注文したピエール・サヴォワとウジェニー・サヴォワとはどのような人物だったのだろうか。どうして彼らはル・コルビュジエに依頼したのだろうか。彼らが「明るい時」と呼んだこの住まいでどのような生活を彼らは送ったのだろうか。ジャン=マルク・サヴォワは彼らの孫にあたる。歴史的な資料と家族の思い出にもとづいてジャン=マルクが語るのは、この邸宅とそこに暮らした人たちの物語だ。さまざまな理由から家族の記録は多く残されていなかった。そして以前からこの建物に魅了されてきたジャン=フィリップ・デロームが―彼自身がここで暮らしたような気持ちで―17のイラストによってこの住宅での生活を再発明する。戦争中には接収され、農業開発で改修され、最後には世界中の建築家による運動とアンドレ・マルローの支援によって破壊を免れ、ユネスコの世界遺産にも登録されたこの建物は、いまでもその魅力とその幻惑する力とをそのまま守り続けている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もえ
25
有名な建築家ル•コルビュジェによって建設されたサヴォワ邸に住んでいた家族の物語。著者のジャン=マルク•サヴォワの祖母ウジェニー•サヴォワが、自分が死んだあとにも長く残るような家をつくりたくて建築家に依頼したのだった。はからずもそれは現実となったのだが。「明るい時」と呼ばれたサヴォワ邸の歴史が当時の設計図や手紙、そして絵本のようなイラストと共に語られる。運転免許証の祖母はお洒落で、ピロティに駐車する車もさぞモダンだったろう。その後の雨漏り等による祖母のクレームと、言い訳する建築家との手紙のやり取りが面白い。2025/05/06
gauche
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外見も名前の知っている「サヴォワ邸」という建築。コルビュジエの代表作というで有名だが、それが「人が住むための家」であり「住んでいる人」がいたということにはなかなか思い至らない。この本はそんなところにスポットライトを当てた本なのだが、読み終えると上のように表現して良いモノかどうか少し考えてしまう。2025/02/17
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- 和書
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