内容説明
ムッソリーニ政権誕生から内戦の終息まで、約二〇年におよぶイタリア建築界の著しい変転を描く。トリーノ、ミラーノ、ローマの三都市を中心に勃興した合理主義建築の流れは、政治、建築、アカデミズムが入り乱れ、大きなうねりのなかでやがて衰退をたどる。ファシズム政権下で建築家たちはいかなるメッセージを発したのか。全体主義と建築の動勢をつぶさに綴った通史的モノグラフの決定版、待望の邦訳。
目次
1 都市の形態としての建築物と地域のためのモデルとしての都市計画
2 一九二〇年代のトリーノ―「生活の断片」の質と株式会社の合理性
3 一九二〇年代のミラーノ―専門職としての文化と「建築の行動隊主義」
4 「ローマでは、他のどこよりも建築活動が盛んである」
5 合理主義のふたつの展覧会
6 「建築、国家の芸術」
7 コンペティションの時節
8 展覧会のための建築―一九三三年と一九三六年のトリエンナーレ
9 都市計画―国家の芸術と社会的計画のあいだ
10 最初の結論―E42
著者等紹介
チゥッチ,ジョルジョ[チゥッチ,ジョルジョ] [Ciucci,Giorgio]
建築史家。1939年ローマ生まれ。ローマ大学卒業。ヴェネツィア建築大学教授、ローマ第三大学教授として建築史などを教える。その他客員教授など多数
鹿野正樹[カノマサキ]
建築家。1965年京都生まれ、東京大学工学部建築学科卒業。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学等で学ぶ。槇総合計画事務所、大野建築アトリエ、キジュウロウヤハギ等を経て、2000年、鹿野都市・建築計画事務所設立。また現在、長岡造形大学、東京電機大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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