内容説明
建築と精神分析の邂逅―西海岸の建築家・リチャード・ノイトラ(1892‐1970)の独自性は、雪深い19世紀末のウィーンに萌芽があった。若き日のフロイト(1856‐1939)からの影響は、精神分析隆盛期のアメリカで結実する。クライアントの「声」に耳を傾ける、精神分析医のごとき建築家の姿を想像するとき、ノイトラの住宅は生温かく色づきはじめる。モダニズムと大衆のはざまで、環境デザインという領域はいかにして拓かれたか。気鋭の建築批評家によるかつてないノイトラ論、待望の邦訳。
目次
第1章 選択による歴史
第2章 ノイトラの配役変更
第3章 感情移入できる家
第4章 出生時のトラウマ
第5章 喜びの治療法
第6章 家から住居へ
第7章 公害と可能性
第8章 生き延びるデザイン
著者等紹介
レイヴィン,シルヴィア[レイヴィン,シルヴィア][Lavin,Sylvia]
建築評論家。UCLA都市・建築学部教授、批評論担当及び大学院プログラム長。1996‐2006年、UCLA都市・建築学部長、建築史・理論担当教授。現代建築に関する歴史・理論研究及び批評の第一人者である。米国に加え世界中の主要な大学建築プログラムで講義・講演をこなし、エッセーは先鋭的な建築デザイン雑誌に掲載されている。数々の国際的な建築コンペに審査員としても参加し、建築界に影響を及ぼしている
金出ミチル[カナデミチル]
建築修復家。東京大学工学部建築学科卒業、コロンビア大学建築大学院歴史保存学部修士課程修了、博士(工学)。1995‐2006年、財団法人文化財建造物保存技術協会に勤務、歴史的建造物の修復現場や町並み保存の実務に携わる。現在、東京理科大学非常勤講師及び長岡造形大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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