内容説明
80年代は彼らに一挙に、実作のチャンスを与えるヒストリシズムは認知され、ポストモダニズムはヤッピーの絶大な支持をえる。かつてのアヴァンギャルドは、今や大資本の最良のパートナーとなる。日本の大資本も先を争って彼らのデザインを買い漁る。売れるデザインは当然コピーされる。しかもヒストリシズムにおいてはもともと、コピーとオリジナルの境界が曖昧だ。
目次
大いなる世代(マイケル・グレイブス―ブロンズの胸像の部屋;ロバート・スターン―ゴールデン・アワー・アーキテクト;ピーター・アイゼンマン―僕はセンターをめざす;フランク・ゲーリー―海の家のオッサン)
時代の申し子(KPF/ウィリアム・ペダーセン―笑顔と体力;ヘルムート・ヤーン―黒と赤;アーキテクトニカ/ベルナルド・フォート・プレシア―マイアミ・バイス;イアン・シュレーガー―ヤッピーはお客様;モルフォシス/マイケル・ロトンディ―煮つまらない都市)
神様、お電話ください(シーザ・ペリ―南米の距離;フィリップ・ジョンソン―神様は軽い)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵐窟庵
7
本書の80年代の寵児だった米国建築家11組は、今では教科書の人物、理論書の片隅、現役大学教員、変貌したスターアーキテクト、名門組織設計事務所、忘れ去られた人、古本屋で叩き売りの作品集、全く名を知らない人、今でもラディカルさを失わない芸術家、日本の街並みを引導した弟子筋、黒幕として語り継がれる歴史、と時代の答え合わせがされる。生き残った建築家はポストモダンと一括されない過激さと走り続けられる体力を持ち合わせている。今となってはポストモダンの意味も当時と異なり、悪しきポストトゥルースの入口と捉えられている。2021/08/14
引用
3
やはり後期資本主義の人間なんだよなあ、でもこれを読むと丹下のあとを引き継いで原と磯崎がやり散らかしたあとケツまくって国家的建築家をやっているのはとても偉いし一貫しているともいえる、隈研吾のことはマジで憎んでるけどもまあ尊敬すべき点はあるよなという気持ちになってきた2021/10/10
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