出版社内容情報
「暑くて寒い」学校に圧倒的に不足している「断熱」。断熱ワークショップから、建築のつくりかた、そしてエネルギー問題を学ぶ一冊。
気候変動が進んだいま、学校の教室は空調をつけても暑い、冬季は暖気が逃げていく「暑くて寒い」危機的環境下にある。背景には学校校舎の基本的性能、とりわけ断熱性能が著しく不足している現実がある。これは、学習環境だけではなく、今般、開放利用や、非常時の避難所などの地域利用にも深刻な影響を及ぼしうる事態である。
2025年から新築建築物の省エネ義務化が開始され、解決への一歩を踏み出した。それでも欧米アジアに比して基準が低く、いまだに断熱への認識の低さや、体感しないと伝わらない効能であることなど断熱化が遅れる要因は多々残っているようだ。いまや断熱改修じたいは決して高コストでない技術として確立しつつあり、建築の断熱性能は長寿命化にまちがいなく寄与する。
本書は断熱の仕組みや設計手法から効果、生徒がDIYで取り組めるワークショップのノウハウまで、問題を知り、いま何ができるかを読み解く一冊。そして、2050カーボンニュートラルの実現可能性がとりざたされる中、「子どもの環境」への意識から環境と共生する建築のあり方、エネルギー問題への取り組み、脱炭素社会への道筋を理解するもくろみとする。断熱を学び、理想的な学校環境をつくる「断熱学校」本である。
【目次】
目次:
はじめに
1 学校が暑くて寒い
2 熱を断つ
3 進む住宅、遅れる学校
4 学校を断熱する
5 断熱ワークショップをしよう
6 断熱ワークショップをやってみた
7 進む自治体の取り組み
8 効果をはかる
9 理想の「断熱学校」
おわりに 脱炭素社会に向けて
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