出版社内容情報
構造力学の持っている潜在的な面白さ、設計力学としての役割を、建築家に広く伝えることに主眼を置いて纏められた解説書。
本書は、従来の大学課程での構造力学のみにとどまらず、設計するための構造力学(建築家のための設計力学)に主眼を置いて纏められている。内容は多岐にわたるが、本書一冊で構造計算法の大要が理解でき、「理論および計算法・考え方」が構造設計に直結する実戦力となるように、適所に例題を設けて、各段階での理解が設計にどのように結び付いているかを丁寧に説明している。第1部では、静定構造物の計算を単純明快に解析するためのモデル化と解析法を述べている。第2部では、構造物に外力が作用した際の荷重伝達の仕組みについて記述している。第3部では、応力法の考え方を述べ、高次不静定骨組を解析する方法として、たわみ角法、固定モーメント法を紹介している。第4部では、骨組および部材挙動の評価法について述べ、マトリックス法による骨組構造の解析、骨組の塑性解析法、鉄骨構造の柱および梁に使用する薄肉断面の捩りついて記述している。第5部では、耐震設計法の考え方と問題点について言及している。
[第1部 静定構造物のモデル化と解析法]
第1章 構造物の設計手順
第2章 構造物に作用する力の挙動
第3章 構造物のモデル化と反力
第4章 構造物の断面力
第5章 静定トラスの断面力
[第2部 釣合系の断面力学と断面特性]
第6章 応力
第7章 ひずみ
第8章 応力とひずみの関係(構成方程式)
第9章 断面定数
第10章 柱、梁、beam-columnの応力
第11章 梁のせん断応力
第12章 部材の変形
第13章 圧縮材の座屈
第14章 仕事に関する原理
[第3部 不静定構造物のモデル化と解析法]
第15章 応力法による不静定ラーメンの解法
第16章 応力法による不静定トラスの解法
第17章 たわみ角法による矩形ラーメンの解法
第18章 たわみ角法による異形ラーメンの解法?
第19章 固定モーメント法による矩形ラーメンの解法
[第4部 骨組および部材挙動の評価法]
第20章 マトリックス法による骨組の解法
第21章 骨組の塑性解析法
第22章 薄肉断面の捩り挙動
[第5部 現行耐震設計法の考え方と問題点]
第23章 水平荷重時による骨組の解法
第24章 耐震計算法
付録 マトリックス代数の概説
?畠 秀雄[タカバタケ ヒデオ]
著・文・その他
内容説明
構造力学は、構造物がどのようにして外力に耐えるかを簡易に知る設計のための力学である。本書出版の意図は、構造力学の持っている潜在的な面白さを紹介し、構造力学が持っている設計のための力を、実務家、研究者を含めた「建築家」に広く伝えることにある。本書により構造計算法の大要が理解でき、理論および計算法・考え方が構造設計に直結する実戦力となるように、適所に例題を設けている。例題を通して、本書の目的である「構造力学をどのように設計に結び付け、斬新な設計を生む原動力の育成」が達成されると確信している。(本書の「序」より)
目次
第1部 静定構造物のモデル化と解析法(構造物の設計手順;構造物に作用する力の挙動 ほか)
第2部 釣合系の断面力学と断面特性(応力;ひずみ ほか)
第3部 不静定構造物のモデル化と解析法(応力法による不静定ラーメンの解法;応力法による不静定トラスの解法 ほか)
第4部 骨組および部材挙動の評価法(マトリックス法による骨組の解法;骨組の塑性解析法 ほか)
第5部 現行耐震設計法の考え方と問題点(水平荷重時による骨組の解法;耐震計算法)
著者等紹介
〓畠秀雄[タカバタケヒデオ]
金沢工業大学教授、地域防災環境科学研究所顧問。最終学歴:京都大学大学院。職歴:金沢工業大学講師、助教授を経て教授。同大学附置研究所地域防災環境科学研究所所長を経て顧問兼任。学位:工学博士。専門:建築構造解析、耐震構造他。1996~1997年日本建築学会理事他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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