出版社内容情報
中世和歌の出発点を築いた第一人者。定家の父であり、新古今歌風開花に大きな役割を果たした大歌人。名は「としなり」とも。平安・鎌倉初期の歌人・歌学者。定家の父、為家の祖父。後白河の命により、1188(文治4)年75歳の『千載集』の撰進で名実ともに第一人者となる。平安末、歌壇は旧来の単純な主知的手法に行き詰まりが生じたが、俊成は古典摂取の詠作手法を開拓して、克服した。彼は単純な叙情詩人だったのではなく、歌論の指導者でもあった。清心温雅な幽玄体の歌を樹立。御子左家の基を築く。歌論『古来風体抄』歌集『長秋詠藻』など。
渡邉 裕美子[ワタナベ ユミコ]
著・文・その他
目次
花
鳥
月
雪
旅
恋
哀しみ
嘆き
祈り
著者等紹介
渡邉裕美子[ワタナベユミコ]
1961年生。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程退学(研究指導修了による)。現在、立正大学文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyaoo
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クリエイティビティが圧倒的な知識から繰り出されている。鮮烈な感情からエモい風景まで、豊富な手段を持つ2024/02/01
Waka
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再読。 この時代の和歌の多くが題詠であること、歌のなかの<わたし>と作者が同一でないことのほうが多いことが、もっと知られてほしい。 和歌の引用ではなく、現代語で、現代仮名遣いで書かれるはずの地の文に2箇所「さへ」と歴史的仮名遣いのなされた誤植があった。2021/09/20
Waka
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友人に借りた本をそろそろ読み切りたく読み始めたら、一気に読めた。俊成の有名どころはもちろん、さほど気に留めてこなかった歌の読みどころにも気づかせてもらった。この時代の和歌の多くが題詠であること、その場合歌の中の「わたし」を作者と結びつけるべきでないことなど、中世和歌鑑賞上の基本事項も、図書の早いうちに書いてあるので、初学の人にも助かりそう。2021/08/30