内容説明
既存の学域、系統、時代設定に拘泥せず、宗教特有のダイナミズムを読み解く、その視座と方法をどう獲得するか。日本文学とその研究がこれまでに担ってきた領域、これから創造していく可能性をもつ領域とは何か。人文学としての文学が人間社会に果たしうる役割に関して、より豊かな議論を成り立たせるには、これからどうしていけばよいのか。日本文学の窓の向こうに広がるものの総体を捉えようとするシリーズ第3巻。
目次
総論―宗教文芸の沃野を拓くために
第1部 宗教文芸の射程(“仏教文芸”論―『方丈記』の古典と現代;天竺神話のいくさをめぐって―帝釈天と阿修羅の戦いを中心に ほか)
第2部 信仰空間の表現史(蘇民将来伝承の成立―『備後国風土記』逸文考;『八幡愚童訓』甲本にみる異国合戦像―その枠組み・論理・主張 ほか)
第3部 多元的実践の叡知(平安朝の謡言・訛言・妖言・伝言と怪異説話の生成について;虎関師錬の十宗観―彼の作品を中心に ほか)
第4部 聖地霊場の磁場(伊勢にいざなう西行;詩歌、石仏、縁起が語る湯殿山信仰―室町末期から江戸初期まで ほか)
著者等紹介
小峯和明[コミネカズアキ]
1947年生まれ。立教大学名誉教授、中国人民大学高端外国専家、早稲田大学客員上級研究員、放送大学客員教授。早稲田大学大学院修了。日本中世文学、東アジア比較説話専攻。物語、説話、絵巻、琉球文学、法会文学など
原克昭[ハラカツアキ]
立教大学助教。日本中世思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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