内容説明
「江戸の芝居」を見ることができないとすれば、いま私たちが、見ているものは何か。変わりゆく時代のなかの歌舞伎の姿を描き出す。
目次
第1章 散切物と古典(「於岩稲荷験玉櫛」と五代目尾上菊五郎―「四谷怪談」大詰の演出をめぐって;黙阿弥「東京日新聞」考―鳥越甚内と景清;黙阿弥散切物と古典;三遊亭円朝「英国孝子之伝」の歌舞伎化)
第2章 戦争劇と災害劇(上野戦争の芝居―黙阿弥・其水の作品を中心に;「会津産明治組重」考―其水の日清戦争劇にみる黙阿弥の影響;幕末・明治の芝居と災害)
第3章 上方劇壇と「東京」(明治初期大阪劇壇における「東京風」;上方における初期の散切物について―「娼妓誠開花夜桜」を中心に;狂言作者佐橋富三郎;桜田門外の変の劇化について;明治期大阪の歌舞伎と新聞―焼き物脚色狂言の誕生;明治期上方板役者評判記とその周辺;東京の中の「上方」―鳥熊芝居以降の春木座について)
附録 東京都立中央図書館加賀文庫蔵『合載袋』―明治期狂言作者の手控え
著者等紹介
日置貴之[ヒオキタカユキ]
1987年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部総合人文学科演劇映像専修卒業。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了。博士(文学)。現在、白百合女子大学文学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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