内容説明
日本人の恋の起源を解き明かす。“古物語り”から“今物語り”へのラブヒストリー。東アジア文学圏では特殊な、「恋」という概念を文芸上に成立させた日本。その源流を求め、万葉以前より語り継がれた伝説“古物語り”から、近時の現実性をもった“今物語り”へと至る物語り形成の系譜を辿る。明かされる男女の恋の歴史。
目次
愛のはじまりの物語り―序論
第1章 磐姫皇后と但馬皇女の恋歌の形成―“類型”と“引用”の流通性をめぐって
第2章 桜児・縵児をめぐる“由縁”の物語り
第3章 真間手児名伝説歌の形成―歌の詠法を通して
第4章 嫉妬と怨情―古代日中文学の愛情詩と主題の形成
第5章 怨恨歌の形成―“棄婦”という主題をめぐって
第6章 「係念」の恋―安貴王の歌と“今物語り”
第7章 「係恋」をめぐる恋物語りの形成―「夫の君に恋ひたる歌」をめぐって
第8章 愚なる娘子―「児部女王の嗤へる歌」をめぐって
著者等紹介
大谷歩[オオタニアユミ]
1986年宮城県仙台市に生まれる。2008年國學院大學文学部日本文学科卒業。2010年國學院大學大学院文学研究科文学専攻博士課程前期修了。2015年國學院大學大学院文学研究科文学専攻博士課程後期修了。学位取得、博士(文学・國學院大學)。現在、奈良県立万葉文化館研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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