内容説明
西鶴没後の小説界を牽引した作者江島其磧の作品を再定義する。其磧が数多く残した歌舞伎・浄瑠璃を典拠とする長編小説「時代物浮世草子」。作者の独自性が無いと低評価が続いていたこれらの作品群を習作から順に取り上げ、後世の作家に与えた影響まで丹念に考察。其磧研究に新たな視点を提示する!
目次
第1章 時代物浮世草子の習作―其磧の赤穂浪士もの(『けいせい伝受紙子』論―「陸奥」の人物造型を中心に;『けいせい伝受紙子』の独自性―男色描写と野村事件;『忠臣略太平記』試論―其磧作の可能性を求めて ほか)
第2章 其磧と演劇―時代物浮世草子を考えるために(其磧と荻野八重桐―『風流七小町』『桜曽我女時宗』『女将門七人化粧』を中心に;『安倍清明白狐玉』論―浄瑠璃・歌舞伎における晴明ものの系譜として;『鬼一法眼虎の巻』と「鬼一法眼三略巻」―浄瑠璃ずらし ほか)
第3章 時代物浮世草子の消長―演劇と江島其磧への視座から(八文字屋本の中の都賀庭鐘―『四鳴蝉』私論;其磧と初期洒落本―『本草妓要』「漂游聴耳世間狙」と歌舞伎―團十郎を中心に ほか)
著者等紹介
宮本祐規子[ミヤモトユキコ]
昭和52年(1977)生まれ。平成14年(2002)、日本女子大学大学院文学研究科日本文学専攻博士前期課程修了。平成20年(2008)、日本女子大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得満期退学。平成23年(2011)9月、日本女子大学大学院文学研究科において博士の学位(文学)取得。現在、清泉女子大学・日本女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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