内容説明
儒教に束縛され、理念で制御された漢字世界に生きる朝鮮王朝の女性にとって、男女の情の意味も含む“色”は、忌避し隠すべき対象であった。しかし東宮妃の自己語りである『ハンジュンロク』は、ハングルを用いて色を感覚の次元で表現してみせた。一方多彩な色の世界を描いた『源氏物語』では、色を観念的に捉える傾向がある。両国を代表する女性文学が正反対の志向をみせることに着目。日韓を横断し『源氏物語』を専門にする学者が、独自の視点を通して王朝文学に記された色彩の魅力を読み解く。
目次
1 はじめに
2 韓国の伝統色
3 韓国の王朝文学
4 『ハンジュンロク』とは
5 『ハンジュンロク』と色
6 『源氏物語』の白衣
講演を聴いて―コメントとレスポンス
著者等紹介
李愛淑[イエスク]
國立韓國放送通信大學校日本学科教授。1962年生まれ。啓明(ゲミョン)大学卒業。同大学大学院へ進学し、東京大学大学院(国語国文学専攻)にて博士号(文学)取得(1995年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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