内容説明
源氏物語の表現に見え隠れするものをどう理解していけばいいのか。文学作品と古記録等の資料との往還を通し、源氏物語の本質を読み解いていく書。柔軟に資料を駆使しながら、史実を検討し、準拠の問題を検討しつつも、物語展開の本質を見据える方途を辿っていく。
目次
第1編 源氏物語の表現と準拠(桐壼帝の弔問と贈答歌―醍醐帝と源高明母の贈答歌の媒介;藤壼と先帝をめぐって―逆転する史実と準拠;光源氏の元服と薫の出家志向―紫式部時代の準拠;斎宮女御と皇妃の年齢;源氏物語と五節舞姫―惟光女お舞姫設定;源氏物語と五節舞姫―舞姫の貢進者;光源氏の官職―栄進の独自性と歴史認識;源氏物語における親に先立つ子・逆縁をめぐって;「幻」巻の舞台をめぐって―喪家・二条院;女二の宮を娶る薫―「宿木」巻の連続る儀式;浮舟物語の始発―「東屋」の構造と史実;浮舟の母・中将の君論―認知されない母子;宇治十帖の引用と風土)
第2編 王朝文学の夢・霊・陰陽道(源氏物語と夢・霊・陰陽道;平安朝の陰陽思想;御霊信仰と源氏物語;栄花物語における陰陽道信仰;平安朝の解夢法;源氏物語の夢想―王朝の夢告の実態との関連;霊んる夢告の特性;栄花物語の夢―大鏡との相違;源氏物語の物の怪―屹立した独自性)
著者等紹介
藤本勝義[フジモトカツヨシ]
1979年、早稲田大学国語国文学専攻科修了、博士(文学)。現在、青山学院女子短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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