内容説明
時代の転換期を生き敗者となった平家。動乱の時代を記憶する琵琶法師が歴史的事実を乗り越えて伝えようとした「平家」の物語を読み解く入門書。
目次
いくさ物語と琵琶法師
時代を動かす清盛
院側近の動きと山門大衆
怨霊の妨害に抗う清盛
摂津源氏頼政の遺恨
「盛者」清盛に「冥衆」の審判
頼朝が挙兵
高倉上皇の死から義仲の登場へ
盛んなる者、清盛の死
義仲、破局へ多様な武士の生き様
平家、京を離脱、筑紫を漂泊
異文化の接触、頼朝と義仲
源平、一の谷の合戦
平家公達の思い
墓穴を掘る義経
平家、破局へ
源平のくさ物語を閉じるために
断絶平家へ
潅頂巻の建礼門院
結論一 転換期の人々
結論二 語りの方法と今後の課題
著者等紹介
山下宏明[ヤマシタヒロアキ]
1931年、神戸に生まれる。神戸大学文学部卒業、東京大学大学院文学研究科博士課程修了、1986年文学博士。名古屋大学教授、1995年定年、同名誉教授。愛知淑徳大学教授、2007年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めぐみこ
2
軍記物としての「平家」と、琵琶法師の語りとしての「平家」の違いを説く。物語は女人の機能として入内による政治権力への介入へ、いくさ物語は男子の死とその霊を支えることを主に語る、と対比されるようだ。『平治物語』常磐より始まり、『平家物語』池の禅尼・八条院・巴御前へと続く系譜が興味深かった。2016/04/18
中将(予備役)
1
諸本の異同や玉葉、著名な論文・解説書を参照しながら平家物語を解説した入門書。語り手の視点が少し分かった。2022/03/29
kuppy
1
平家物語の入門というには、文章そのものにはあまり触れていないので副読本という位置づけか。勝者頼朝も三代で北条家に乗っ取られているわけだから乱世も平時も継承というのは難しいものだ。2017/11/27
石ころ
1
大学図書館にて。入門書というにはちょっと難しいかも。2015/08/15
-
- 和書
- 抱く子は育つ