内容説明
「今めかしさ」、すなわち目新しく派手な魅力を持つ故に「今様」と名付けられた。和歌の伝統を裏切る面白さに満ちた、平安末期の流行歌謡。
目次
春の初めの歌枕
仏は常にいませども
弥陀の誓ひぞ頼もしき
達多五逆の悪人と
龍女は仏に成りにけり
万を有漏と知りぬれば
いづれか貴船へ参る道
貴船の内外座は
極楽浄土の東門に
峰の花折る小大徳〔ほか〕
著者等紹介
植木朝子[ウエキトモコ]
1967年東京都生。お茶の水女子大学大学院博士課程単位取得。博士(人文科学)。現在、同志社大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もち
1
「われを頼めて来ぬ男 角三つ生ひたる鬼になれ さて人に疎まれよ 霜雪霰降る水田の鳥となれ さて足冷たかれ 池の浮草となりねかし と揺りかう揺り揺られ歩け」/強い女が好きなので、この本に載るなかではこれが一番好きになった。こういう、軽妙で毒にも薬にもならないような歌を読んでいると、ああ日本だなと思う。2021/02/05
木倉兵馬
0
俳句や短歌とはまた違ったスタイルの和歌である今様を集めた一冊。いわば平安時代末期の流行歌集といったところか。主に『梁塵秘抄』から採られており、今様には今様なりの技法があったとうかがえる。短い期間しか詠まれることがなかったようであり、当時の発音・発声法ではどのように歌われていたのかが気になった。2022/06/30
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