目次
いざ子ども早く日本へ
天翔りあり通ひつつ
憶良らは今は罷らむ
愛河ノ波浪ハ已先ニ滅エ
大君の遠の朝廷と
家に行きて如何にか吾がせむ
愛しきよしかくのみからに
悔しかもかく知らませば
妹が見し楝の花は
大野山霧立ち渡る〔ほか〕
著者等紹介
辰巳正明[タツミマサアキ]
1945年北海道生。成城大学大学院修了。現在、國学院大學教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
97
山上憶良の歌は、他の万葉歌人のものと異なっているところがある。本書に書かれているように、思想的なものが歌に溶け込んでいる。儒教的なものと仏教的なものがぶつかりあって、独特の深みがある。これは彼が遣唐使として唐に派遣されたことと関係があるのだろう。もちろん憶良は思想の歌ばかり詠んだわけではなく、子供たちへの想いを熱く詠んだ歌や、普通の人々の貧しさを書いた歌、生の苦しみを表現した歌など様々な傾向の歌を作っている。この多面性が山上憶良の魅力だ。(続きます)2017/10/25
kaizen@名古屋de朝活読書会
65
#山上憶良 いざ子ども早く日本へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ #和歌 #返歌 我子供日本の浜松大學で通信規約遅延と待ちと #萬葉集 #短歌 #説明歌 静大の論文遅延差測定をけんとうしたよ時刻同期と 2016/01/23
はるわか
9
天の川相向き立ちてわが恋ひし君来ますなり紐解き設けな2022/02/02
イボンヌ
9
日本人て誰の事なのか。2017/11/12
はちめ
4
山上憶良が子供思いの歌をたくさん詠んでいるのは、女系社会から戸主を中心とした新たな家族制度への移行を意識しているというのは面白い。さらに、憶良は仏教にも精通していて人生の無常なども詠っているが、その際、本来であれば子供などの家族は執着の最たるものであり、悟りのためには捨て去るべきものであるのを、悟りを得られないのを覚悟しつつ子供など家族に敢えて執着しているのではないかというもの。思想家でもあった憶良であればあり得る説だと思う。☆☆☆☆☆2022/08/20