和泉式部集全釈 続集篇 (新装版)

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和泉式部集全釈 続集篇 (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 472p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784305705969
  • NDC分類 911.138
  • Cコード C3092

出版社内容情報

和泉式部が呼びかけてくる――。
昭和34年東宝書房刊『和泉式部集全釈』から53年。
全面加筆改稿した『和泉式部集全釈 正集篇』の完成にあわせ、
昭和52年刊の『続集篇』も新装版として刊行します。

※本書は昭和52年笠間書院刊『和泉式部集全釈 続集篇』の新装版である。

「注釈」という文化事業の可能性を極限まで探究した奇蹟の大著
―島内景二
何よりもすばらしいのは通釈の文章です
―岩佐美代子

【本書の特色】
○榊原本を底本とし、和泉式部集続集の647首全歌にわたって(重出歌含む)、注釈をほどこした。通釈・語釈・余説の三項目によって構成される。
○通釈は、はっきりとした語学的解釈を踏まえたうえで、著者(小松)独特の語り口による、作者の気持ちがだれにもわかるような情味あふれる文章。
○語釈・余説では、他の歌・漢詩文等にあらわれている豊富な用例と影響関係を紹介し、和泉式部の生活や当時の風習、男女の世界観についても論じた。
○校異は、底本の本文を改めた場合、並びに何か問題がある場合のみ加えた。
○本書「続集篇」は、前身である東宝書房版『和泉式部集全釈』が昭和34年に刊行されて後の研究成果を反映している。

【著者プロフィール】
佐伯梅友(さえき・うめとも)
明治32(1899)年、埼玉県比企郡小川町に生まれる。昭和3(1928)年、京都帝国大学文学部卒業。東京教育大学名誉教授、大東文化大学名誉教授。平成6(1994)年没。著書に、『万葉語研究』(昭和3年)、『上代国語法研究』(昭和41年)、『奈良時代の国語』、『源氏物語新抄』、『古文読解のための文法』等。

村上治(むらかみ・おさむ)
大正6(1917)年、千葉県我孫子町に生まれる。昭和24(1949)年、東京文理科大学文学部文学科国語学国文学専攻卒業。千葉県立八千代高等学校校長、千葉県教育長指導課長。正六位勲五等受勲。昭和43(1968)年没。著書に、『校註伊勢集』(昭和27年・共著)、『更級日記』『和泉式部日記』『蜻蛉日記』『紫式部日記』(最新国文解釈叢書)等。

小松登美(こまつ・とみ)
大正11(1922)年、東京市小石川区(現東京都文京区)で生まれる。昭和23(1948)年、東京文理科大学文学部文学科国語学国文学専攻卒業。元跡見学園短期大学教授。著書に、『校註伊勢集』(昭和27年・共著)、『和泉式部集全釈』(昭和34年・共著)、『寝覚物語全釈』(昭和35年・共著)(昭和47年)、『和泉式部日記全訳注』(講談社学術文庫)(昭和55〜60年)、『和泉式部の研究 日記・家集を中心に』(笠間書院)(平成7年)等。

【目次】
序・佐伯梅友
凡例
和泉式部集全釈 続集篇
和泉式部集全釈 続集篇 注
和泉式部続集全句索引
東宝版『和泉式部集全釈』附記
後記・小松登美

▼推薦

島内景二

 和泉式部から、何を引き出せるか。彼女の歌には、深い闇がある。かと思えば、飛翔する夢の翼がある。だからこそ、日本浪曼派の保田與重郎は彼女に吸引され、和歌という日本文化の真実に迫った。折口信夫は、和泉式部と西行を結びつける独創的な文学史を打ち立て、日本文化論に一石を投じた。
 和泉式部を論ずることは、日本文化の過去と現在を考えることである。混迷する現代人が、新しい文化を呼び込もうとする時、今なお和泉式部の和歌は有効でありうる。
 だがすべては、和泉式部をどう読むかにかかっている。小松登美『和泉式部集全釈 正集篇・続集篇』全二冊は、「注釈」という文化事業の可能性を、極限まで探究した奇蹟の大著である。平安時代の同時期に、三人の天才が誕生した。物語の紫式部、和歌の和泉式部、そしてエッセイの(と仮に呼ぶが)清少納言である。『源氏物語』に関しては、北村季吟の『湖月抄』スタイルが決定版として確立しており、「源氏文化」を探究する際の指針となっている。『枕草子』の注釈には、まだ決定版がない。『和泉式部集』に関しては、この小松の『全釈』スタイルが決定版となるだろう。ここには、わが国の「和泉文化」のエッセンスが詰まってる。
 和泉式部の膨大な和歌を心に納め、和泉式部と一体化した人物が、漢詩文・物語文学・和歌文学・絵巻物などの諸文化に幅広く触れる。すると、それらと『和泉式部集』とが響き合い、和泉式部の和歌の源泉と影響とが測定できる。この響き合いを感じることが、小松登美にとって「生きる」ことだった。
 品が良く、荘重ぶらない「通釈」の現代語訳は、和泉式部の等身大の心を映し出す。豊かな解釈の可能性を摸索する「語釈」。一生を費やして増補され続け、「和泉文化」を網羅した「余説」。見事な三点セットである。読者はこの完璧なフォーマットに、自分自身の知見を書き加え、『増注・和泉式部集全釈』を作りたくなる。実はそのような読者の獲得こそが、祈りにも似た小松の願いだろう。「増注」を支えるに足る盤石の基盤を造り上げた者のみに、天が与えた至高の願いである。
 本書は、和泉式部の顕彰碑であるばかりか、戦後の劣悪な文化的環境の中で国文学再興の夢を共有した同志たちへの紙碑でもある。国文学研究と日本文化論を結ぶ通路が、ここに開鑿されたことに、心から感謝する。


岩佐美代子

 佐伯梅友・村上治・小松登美のお三方による和泉式部集共同研究の発足は、国鉄人員大量整理にかかわる下山事件・三鷹事件・松川事件の続発した昭和二十四年。その成果『全釈 正集篇』の刊行は安保反対デモ前夜の三十四年。まさに敗戦後激動の社会相の中での、息長く真摯な営みでした。ついで五十二年、『続集篇』完成。その一方で小松氏は和泉式部日記研究にも取組まれ、五十五年から六十年にかけ、大作『和泉式部日記全訳注(上・中・下)』を世に問われました。小松氏の情熱はなおも衰えず、共著者お二人の他界後も研究を重ね、旧著を全面的に改稿加筆、今回新たにほとんど単著に近い性格をもって、両篇再刊行に至りました。心から嬉しく、その御研究姿勢に敬慕の念を新たにいたします。
 本書の特色は多々ありますが、何よりもすばらしいのは通釈の文章です。たとえば、秋までの命も知らず 春の野の花の古根をやくとやくかな 人間なんて、ほんとにばかなものね。自分がそれまで生きてゐられるかどうか判りもしないのに、秋、美しい花を見たいばかりに、春の野の、去年の花の枝をせっせと焼いたりして。

昭和初期の若い女性の話し言葉をそっくりそのまま、和泉式部から直接語りかけられているようで、何とも楽しく理解できましょう。全文、旧仮名遣いである事には、少々違和感もありましょうが、気にせず読み馴れて下さい。今は忘れられた旧仮名遣いの美しさに触れる事も、今後の文学体験に役立ちます。
 大歌人あまたある中で、最も魅力的な人、和泉式部。その作品に心酔した一人の女性研究者が、千年の時を隔て、六十年の歳月をかけて、自らの言葉をもって読み解かれました成果を、丁寧な【語釈】【余説】、充実した解題・全句索引ともども味読できます喜びを、皆様、それぞれの人生体験と照らし合せつつ、十分に享受なさって下さいませ。

笠間書院ホームページより

内容説明

昭和34年東宝書房刊『和泉式部集全釈』から53年。全面加筆改稿した『和泉式部集全釈正集篇』の完成にあわせ、昭和52年刊の『続集篇』も新装版として刊行します。

著者等紹介

佐伯梅友[サエキウメトモ]
明治32(1899)年埼玉県に生まれる。昭和3(1928)年京都帝国大学文学部卒業。東京教育大学名誉教授、大東文化大学名誉教授。平成6(1994)年没

村上治[ムラカミオサム]
大正6(1917)年千葉県に生まれる。昭和24(1949)年東京文理科大学文学部文学科国語学国文学専攻卒業。千葉県立八千代高等学校校長、千葉県教育庁指導課長。昭和43(1968)年没

小松登美[コマツトミ]
大正11(1922)年東京都文京区に生まれる。昭和23(1948)年東京文理科大学文学部文学科国語学国文学専攻卒業。元跡見学園短期大学・同女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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