内容説明
『源氏物語』に散りばめられた涙表現をどう読み解いてゆくのか。本書は人間関係やまなざし、会話、身体、ふるまいと関連づけることで詳細に読み解いてゆく。登場人物の関係構造の中での涙の力学を考え抜く。
目次
第1章 関係性を紡ぐ涙―『源氏物語』(末摘花の「音泣く」―涙に秘められた力;涙の共有と“ずれ”―紫の上・光源氏関係をつなぐもの ほか)
第2章 宇治十帖を織りなす涙(宇治中の君の涙―見られる涙の力学;浮舟物語の涙―浮舟・匂宮の相関)
第3章 涙から読む平安物語―『源氏物語』以前(『伊勢物語』の「血の涙」―『うつほ物語』・『源氏物語』の涙の変遷;『うつほ物語』の秘琴伝授と涙―泣く俊蔭と女と泣かないいぬ宮 ほか)
第4章 平安後期物語の涙から―『源氏物語』以後(『浜松中納言物語』のとめどない涙―唐后の面影;『夜の寝覚』泣かない石山の姫君―“家族”の表象 ほか)
著者等紹介
鈴木貴子[スズキタカコ]
1981年東京生まれ。2003年フェリス女学院大学文学部日本文学科卒業。2009年フェリス女学院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。2011年度より、フェリス女学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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