内容説明
人は何を和歌に託し、和歌は何を秘めて続いてきたのだろうか。本書は江戸後期、信越・東北・北海道などを歩き数多くの旅日記や地誌を記した菅江真澄の「和歌」「地誌」に注目する。秋田藩主はなぜ、菅江真澄に、名所探し・名所作りを命じたのか?それは真澄が「和歌」の役割を十分に理解していたから託すことが出来たのではないか。とすれば、その役割とは何なのか。菅江真澄から、日本全土を覆い尽くしてきた、「和歌」が見えてくる。本書はそれだけ根源的な問いを投げかける。日本人にとって、和歌とは何か、と。
目次
1 新しい眼で真澄を捉える(国文学の姿;菅江真澄の旅日記―虚構性 ほか)
2 真澄の旅―なくてはならない和歌(和歌の帝国;旅と風土 ほか)
3 なぜ地誌を書いたか―藩主とのかかわり(旅日記から地誌へ;モノガタリの位置 ほか)
4 地誌を生みだす和歌(藩主の地名変更―歌枕・名所へ;藩主の和歌観―和歌と歴史と神社 ほか)
著者等紹介
錦仁[ニシキヒトシ]
昭和22年(1947)、山形県生まれ。東北大学文学部文学研究科博士課程中途退学。秋田大学教育学部教授を経て、新潟大学現代社会文化研究科教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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