出版社内容情報
ようこそ、奔放なイメージとシリアスな現実が交錯するお伽草子ワールドへ!
室町から江戸初期に生れた短編物語群「お伽草子」を内外の多彩な視点が解読する。
全106点にのぼる図版資料の数々も魅力。
お伽草子の魅力はこれ一冊でわかる。
●●総論
○百花繚乱の物語草子
お伽草子学の可能性
・徳田和夫
●●1 テーマを探る
○伝承と創作 「橋弁慶」をめぐって
・美濃部重克
○王朝憧憬 『鉢かづき』、他をめぐって
・日沖敦子
○英雄賛嘆 『相模川』『頼朝の最期』をめぐって
・徳竹由明
○庶民出世 『大黒舞』をめぐって
・田中美絵
○法楽夢幻 『幻夢物語』をめぐって
・青木祐子
○異国・異界 『浦島太郎』をめぐって
・林 晃平
○異類幻想 『筆結物語』をめぐって
・三浦億人
●●2 文学史に照らす
○物語文学とお伽草子 〈しのびね型〉物語をめぐって
・菊地 仁
○説話文学とお伽草子 『天稚彦物語』をめぐって
・勝俣 隆
○軍記物語とお伽草子 『祇王』『小督』をめぐって
・森 誠子
○幸若舞曲とお伽草子
・小林健二
○能・狂言とお伽草子
・岩崎雅彦
○古浄瑠璃・説経とお伽草子 斬首救済説話をめぐって
・佐谷眞木人
○近世文芸とお伽草子 福神・窮鬼の説話をめぐって
・堤 邦彦
○和歌・連歌とお伽草子
・沢井耐三
○寺社縁起とお伽草子 東大寺縁起・石山寺縁起をめぐって
・藤巻和宏
●●3 作品環境に迫る
○室町の学芸とお伽草子 『直談因縁集』書写と関東天台
・近本謙介
○江戸初期の学芸とお伽草子 『塵滴問答』、注釈をめぐって
・鈴木元
○学習とお伽草子 『精進魚類物語』『魚類青物合戦状』をめぐって
・伊藤慎吾
○比丘尼御所文化とお伽草子 『恋塚物語』をめぐって
・恋田知子
○談義唱導とお伽草子
・箕浦尚美
○本地物とお伽草子 『神道集』、在地性をめぐって
・大島由紀夫
○神仏信仰とお伽草子 『箱根本地由来』をめぐって
・阿部美香
○民間説話とお伽草子 『一寸法師』をめぐって
・三浦俊介
○東アジア文化とお伽草子 韓国の語り物との関連
・金 賛會
●●4 かたちを見る
○「小絵」再考 小型絵巻と個人的な絵画空間
・メリッサ・マコーミック
○叢書御伽文庫をめぐって
・石川 透
○大名文化と絵本
・龍澤 彩
●●5 諸学の座
○国文学から
玉藻前物語考 〓枳尼天と王権
・濱中 修
○歴史学から
史料としてのお伽草子 研究史覚書
・斉藤研一
○民俗学から
百鬼夜行絵巻諸伝本の分類と系統 国際日本文化研究センター所蔵「百鬼ノ図」を手がかりに
・小松和彦
○美術史から
足利義尚の絵巻狩り
・高岸 輝
○日本学から
草双紙にみるお伽草子受容
・ケラー・キンブロー
図版出典一覧
あとがき
・研究情報1985年(昭和60)1月~2008年(平成20)3月 伊藤 潤
・索引 尾崎修一
執筆者紹介
内容説明
ようこそ、奔放なイメージとシリアスな現実が交錯するお伽草子ワールドへ!その物語は心の枯渇を癒し、その絵は想像をかき立てる―。室町から江戸初期に生れた数多の短編物語群「お伽草子」を内外の多彩な視点から解読し尽くす。ここから始まるお伽草子学!図版資料全106点(モノクロ含)掲載・1985年~2008年の研究情報一覧付き。
目次
総論
1 テーマを探る
2 文学史に照らす
3 作品環境に迫る
4 かたちを見る
諸学の座
著者等紹介
徳田和夫[トクダカズオ]
1948年生。学習院女子大学教授。国際日本文化研究センター、米国・コロラド大学(ボルダー校)客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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