内容説明
人が心にかたちを与えるときに重要な役割を果たす表現の型・様式。様式に支えられて様々に生み出される表現。歌を「書く」ことが人麻呂の周辺で本格的に始まってゆく中で、万葉歌のかたちが誕生し、歌世界は誰でも参入可能な世界となってゆく。―表出・伝達・享受という歌表現のシステムに迫る書。
目次
第1章 “景”と“心”の表現構造(万葉和歌の表現と“心”;万葉序歌の様式と表現;「つなぎ言葉」と文字 ほか)
第2章 羈旅歌の表現構造(万葉羈旅歌の様式と表現―「地名」を歌うことを中心に;人麻呂羈旅歌八首の周辺―羈旅表現の成立;人麻呂歌集略体歌の旅の歌 ほか)
第3章 初期万葉の論(天智朝挽歌をめぐって;有間皇子自傷歌の表現とその質;初期万葉の相聞歌 ほか)
著者等紹介
大浦誠士[オオウラセイジ]
1963年香川県生まれ。1997年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。1999年東京大学より博士(文学)の学位を受ける。椙山女学園大学文学部専任講師。2002年椙山女学園大学文学部助教授。2008年椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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