内容説明
鎌倉期歌壇の中堅歌人群、および室町期における二条・冷泉・飛鳥井・三条西など諸歌道家の動向、中世歌集類の形態的特色や、中世和歌の顕著な特徴など、和歌の文芸的・実用的性格の考察を行い、まとめとして歌壇史的研究という方法についての省察を試みる。中世歌壇の基盤を実証的に明らかにする書。
目次
第1部 歌人伝を中心に(中御門宗家;歌僧慶融;藤原為顕 ほか)
第2部 中世歌壇の種々相(中世歌集の形態(一)勅撰集
中世歌集の形態(二)私家集
中世歌集の形態(三)定数歌 ほか)
第3部 歌壇史のこと(歌壇史研究について;歌壇の概観)
付 参考文献
著者等紹介
井上宗雄[イノウエムネオ]
1926年生まれ。早稲田大学大学院修了。早稲田大学高等学院教諭、立教大学教授、早稲田大学教授を経て、立教大学名誉教授。専攻は中古・中世和歌史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山がち
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二条家は往々にしてマイナーな扱いを受けるだけに、彼らの中でも枝葉に属する人物についてわずかながらでも焦点を当てていたのはやはり大きい。いくつかの論稿をまとめたものであるため、他で読んだものも混ざっているのはややマイナスと言わなければならないだろう。しかしながら、筆者の二条家あるいは二条派再考への思いというのは確実に伝わってきて、筆者にははるかに及ばないまでも同じ志を持つ私としては嬉しい限りである。ひとまず注意すべきは、「二条派」は近代の学術用語であり、当時は「二条家」というくくりであったということだろう。2014/05/26
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- 和書
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