内容説明
小説の神様・志賀の作品たちはいかなる方法に支えられてきたか。その表現の具体的様相を草稿・未定稿の検討を含め、従来にない緻密な作品分析に基づき深層を詳らかにする、意欲的な評論集。
目次
第1部 短編小説の表現(「城の崎にて」―導かれる心境、導くための情景;「灰色の月」―直哉のリアリズム、その実相)
第2部 “和解三部作”の方法(「大津順吉」―“私”が“私”を語る方法;「和解」―より劇的な“和解”の生成へ;「或る男、其姉の死」―「事実と作り事との混合」という方法)
第3部 「暗夜行路」の方法(登場人物にみる作品構造;自我との相剋、時任謙作の闘いが意味するもの;二つの「女の過失」設定、その必然性)
第4部 志賀文学の基底(「モデルの不服」にみる小説観―「暗夜行路草稿20」の問題;小説の人称―「自分」・「私」・「彼」のあいだ)
著者等紹介
下岡友加[シモオカユカ]
1972年広島県生まれ。1994年広島女子大学文学部卒業。2002年広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。博士(学術)。広島市立看護専門学校非常勤講師、銘伝大学(台湾)専任助理教授、広島県立三原高等学校教諭等を経て、現在、国立台湾大学文学院語学センター在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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