内容説明
事実を確定する行為とは異質な語りで、物語化を拒否した大岡。読者をより豊かな解釈の可能性へと導くためにテクストはどのように書かれたのか初期三作品から明らかにする。
目次
第1章 『俘虜記』の創作方法―背景としての記録文学(『俘虜記』における表現上の独創性についての従来の研究;記録文学の流行と大岡の批評意識 ほか)
第2章 『俘虜記』から『野火』へ―映像の記憶と記述される言葉(『野火』における視覚性についての従来の研究;映像の連結 ほか)
第3章 『野火』の文体―反転する視覚性(語りの基本構造;欧文脈の摂取 ほか)
第4章 『武蔵野夫人』における間テクスト性の問題―「誓い」に織り込まれたスタンダール『パルムの僧院』(暗示されるテクスト;スタンダールの流行 ほか)
著者等紹介
野田康文[ノダヤスフミ]
1970年、佐賀県に生まれる。熊本大学文学部文学科比較文学卒。福岡大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士課程後期満期退学。文学博士。専攻は日本近現代文学、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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