内容説明
「語りと引用」という全く新しい視座から『狭衣物語』の特質と構造を具体的に解析した画期的労作。
目次
1 語りと引用(語りの方法―少年の春;天照神信仰―社会的文脈を引用することとは ほか)
2 狭衣物語の構造(「世」「世の中」と狭衣の恋;視線の呪縛;父と子の関係;天界・地上・世人の構図の中で―狭衣の超俗的属性をめぐって;女君の母子関係)
3 表象・メディア・発話の言説(飛鳥井と常磐;メディアとしての旅―恋のゆくたてを見る ほか)
4 物語における孤絶の様相(「心ひとつに思ひゐる」薫;大君と八宮の「迷妄」を探る;男の歌が女の境涯を導く時;狭衣と女二宮の「心ひとつ」の位相)
5 「狭衣批評」にむけて(「死」を語りとる物語と女性の問題;非充足を抱え持つ中世王朝物語からのまなざし)
著者等紹介
井上真弓[イノウエマユミ]
1954年東京都生まれ。1977年立教大学文学部日本文学科卒業。1984年立教大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現職、東京家政学院大学人文学部助教授
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